潰瘍性大腸炎と伝統中医学鍼灸


 ここ数年、増加傾向にある疾患として「潰瘍性大腸炎」があります。腸に炎症が起こる病気の総称を「炎症性腸疾患」といい、大腸に限局して粘膜・粘膜下層をびまん性に侵す「潰瘍性大腸炎」と小腸や大腸などあらゆる消化管に炎症が起こる「クローン病」があります。
 潰瘍性大腸炎は、国が定めた「指定難病」の1つです。発症原因はまだはっきりわかっていませんが、「免疫異常」が関与していると考えられています。

 私自身、「潰瘍性大腸炎」を患い、服薬を続けていますが、併せて鍼灸治療を行いながら減薬と症状緩和に日々努めています。

 2006年の厚生労働省特定疾患治療費受給者数によれば、わが国には約85,000人、2013年では約166,000人の患者がおり、現在では約18万人の患者さんがおり、その数は年々増加傾向にあります。
 潰瘍性大腸炎は若年者から高齢者まで発症しますが、発症年齢の主なピークは、男性では20~24歳、女性では25~29歳ですが、最近では、40代以降でも、多くの人が発症するといわれており、院長の私も40歳代ですが、発症しました(資料:厚生労働省衛生行政報告書例の概況)。
 重症の患者さんは少なく、全体の9割が「軽症~中等症」の患者さんで占められています。


 大腸の粘膜・粘膜下層がびまん性に炎症を起こし、直腸から口側へと病変が連続している直腸炎型、左側大腸炎型、全大腸炎型などがあるが、頻度が高いのは直腸炎型であり、私も直腸型でした。

 症状は、軽い腹痛、下痢を呈するものから、発熱、粘血便・膿性便をきたすものまであり、長期にわたると貧血、体重減少などの全身症状が出現します。
 潰瘍性大腸炎には、炎症が起きて症状が強く現れる「活動期」と、症状が治まっている「寛解期」があります。多くの方は寛解を維持することができますが、人によって再燃(寛解期から再び活動期になってしまうこと)して、活動期と寛解期を繰り返してしまうこともあります。

 診断は、下部消化管透視検査、内視鏡検査を行います。びらん、潰瘍、白血球を中心とした細胞浸潤、陰窩膿瘍などの生検組織所見も参考にし、厚生労働省特定疾患難治性炎症性腸疾患障害調査研究班の診断基準が用いられます。

1.鍼灸治療

 現代医学における治療は、原則的に「薬物療法」が中心であり、多くの場合は薬で緩解期に至ることができています。ただ、服薬期間は長期間に渡り、金額的負担(診察代や薬代等)及び身体的負担(薬物による副作用)が大きくなります。
 私自身も毎日、2種類の薬を飲んでおり、減薬を進めていきたい一人でもあります。
 潰瘍性大腸炎の原因は免疫がかかわっているが、その免疫機能に対して直接アプローチをする方法として“鍼灸療法”があります。薬物療法では腸の炎症を抑えることが主眼となり、「ペンタサ」「アサコール」「リアルダ」についても同様です。
 できるだけ早期に緩解期に至るよう薬物療法とともに鍼灸療法、東洋医学を併用・補完することで、減薬に結び付けることができると考えています。


2.薬物療法

 上記で記載したように、現代医学における治療は、原則的には、炎症を抑える「薬物療法」が中心で、多くの場合は薬で緩解期に至ることができます。ストレスによって増悪するので安静とし、ストレスコントロールや規則正しい生活、食物残渣が少なくなるように低繊維食、禁煙など生活指導を併せて行うことが極めて重要となります。
 
 なお、中毒性巨大結腸症、出血、穿孔、癌化の場合は絶対的手術適応とされ、病変部に異型上皮が認められた場合は部分切除する必要があります。

 

 

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