機能性ディスペプシアと中国伝統鍼灸


 ここ数年、薬が効きにくく、治療法が確立していない胃の不調を引き起こす病気として、「機能性ディスペプシア」が増加しています。胃カメラやレントゲン、血液検査など様々な検査を行っても異常がみられないため、薬物療法においても改善効果が得られにくく医師にとっても治療が難しい疾患の1つともいわれています。

 機能性ディスペプシアは代表的な機能性消化管障害(FDID)の1つであり、症状の原因となる器質的、全身性、代謝性疾患がないにもかかわらず、慢性的に胃もたれや心窩部痛などの心窩部を中心とする腹部症状を呈する疾患と広く定義されています。ストレスと関連があり、QOLの著しい低下がみられるが、その明確な原因はいまだ不明です。

1.鍼灸治療

 現代医学における治療は、ストレスのコントロールや規則正しい生活、暴飲暴食の是正、禁煙など生活指導とともに薬物療法が基本となります。
 
 薬物療法の初期治療では消化管運動機能改善薬または酸分泌抑制薬が用いられ、二次治療では抗不安薬や抗うつ薬、漢方薬が用いられ、ピロリ菌陽性の場合、まず除菌療法を行います。

 鍼灸施術における刺激は、主な治効機序として「体性-自律神経反射を介した臓器機能の調整」が考えられており、鍼やお灸による体性感覚神経の興奮が交感神経および副交感神経の活動を変化させることにより、ストレス等により生じた胃運動障害を改善する可能性が論文等でも指摘されています。

 本院では、鍼灸治療効果を最大限に引き出す治療法として柳谷素霊先生の自律神経調整刺鍼法、いわゆる中国医学における華佗夾脊穴を利用した治療を行っています。

2.成因・病態生理

 FDではディスペプシアとよばれる上腹部を中心とする4症状がみられ、これらの症状は主に運動機能異常と内臓知覚過敏によってもたらされると考えられています。

 〔食後愁訴症候群〕 運動機能異常:食後のもたれ感、早期満腹感 

 〔心窩部痛症候群〕 内臓知覚過敏:心窩部痛、心窩部灼熱感

3.診断・鑑別

 



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