初めての方へ
鍼灸専門学校で非常勤講師を務める傍ら、兵庫県尼崎市に開院。 腰痛、頚肩背部の深部の凝り・痛みや自律神経失調症、交通事故後遺症、難病等に対して深刺及び多鍼にて中国伝統医学に基づく鍼灸施術を行っています。
具体的には、深部の緊張緩和を図り、血流の改善、自律神経をはじめ神経系統の調整を行うことにより免疫系等及び身体の不定愁訴に対して直接的にアプローチしています。
鍼灸施術
鍼灸は、観血療法(手術)の最終可否の判断として施術的診断法(スクリーニング)として有用です。必要な手術は確かにありますが、手術後、症状を悪化させてしまう場合も少なからず存在します。その証拠に、手術の長期調査で保存療法と変わらないまたはかえってQOL低下の結果を生じる研究データが発表されています。手術を否定するつもりはありませんが、必要のない手術はできるだけ避け、ICF理念同様、その他の機能を最大限に発揮し、機能回復を図っていくことが理想的です。
本院の施術効果に自信があるから言えることですが、一人でも多くの方が観血療法(手術)を決断する前に鍼灸施術を受けていただき、鍼灸の恩恵を受けていただきたいと思っています。
患者様の多くは服薬を続けながら来院されており、中には鎮痛薬が効かないケースや減薬を希望される方もいらっしゃいます。患者様のニーズに応えられるよう服薬状況や日常生活動作、運動療法などもいっしょに検討を行っています。
鍼灸療法と科学的根拠〔エビデンス〕
1997年には、NIH(アメリカ国立衛生研究所)から、鍼灸療法の病気に対する効果とその科学的根拠を認める見解が発表され、WHO(世界保健機関)でも、様々な症状や疾患について、鍼灸療法の効果や有効性を認めています。また、2008年にはWHOによって、ツボの名称や経穴の位置が統一され、世界基準の施術法として確立されています。
隣国の中国、韓国では伝統医療を正当医療として位置づけ、医療機関内で通常業務として鍼灸療法が行われています。また、西欧諸国では補完医療として、あるいは統合医療として鍼灸療法を医療システムの中に組み込み、医療の質を向上させると共に医療経済学的効果を上げようとしています。
自由診療部門の設置などを行いながら鍼灸療法を導入している機関(病院)も散見されます。
【有効】歯科の術後痛、妊娠悪阻、成人の術後及び化学療法による嘔気・嘔吐
【補助療法として有用】頭痛、月経痛、テニス肘、腰痛、脳卒中後のリハビリテーション、繊維性筋痛症、筋筋膜痛、変形性関節症、手根管症候群、喘息
当院の特徴
Ryuzaki鍼灸院は、恩師が発案された伝統中医学のシステムを踏襲し、積極的な養生鍼(灸)施術を行っています。恩師の中医システムは、「経験医学」と「現代医学」を併用した鍼灸施術であり、『霊枢』『素問』『鍼灸大成』『鍼灸甲乙経』『鍼灸聚英』『鍼灸逢源』『鍼灸大全』『鍼灸集成』などの古典はもとより、木下春都、朱漢章、高維濱、焦順発などの近代針灸の理論を総合した施術法です。伝統中医学の特徴は“得気”を重視した鍼(灸)施術にあり、身体の深部まで響くその得気はかなり特異的です。この得気を重視した鍼灸施術は古典にも記載されており、鍼灸医学の真髄でもあります。
本院は“鍼灸施術”のみに留まらず“予防”としての鍼も併せた視点を持ったより レジリエントな身体へのサポートも心掛けています。人間は年齢を重ねるとともに身体は老朽化し、柔軟性も低下していきます。柔軟性が低下した身体は軽度の外部衝撃に対しても身体の変調を伴いやすく、痛みや痺れなどの異常を生み出しやすくなります。表面的な柔軟性であればマッサージなどで緩めることは可能ですが、深部の筋肉などの軟部組織を緩めることは指による施術では時間、コスト、エネルギー的にパフォーマンスが悪くなります。鍼による施術では技術が必要ですが、すべての点でパフォーマンスを発揮してくれます。また、私が行っている施術は脊柱の柔軟性(レジリエンス)に重きを置き、養生としての鍼を行っていることもあり、本来あるべき“治療”と“養生”を兼ね備えた施術スタイルを可能にしています。
鍼灸専門学校で教鞭を執る院長が施術を行います
鍼灸の専門学校で教員を行っているため、知識・技術については安心できます。最新の情報を得ながら診断や技術に還元していきますので、診断・施術については心配ありません。鍼灸医学には素晴らしい効果があります。教壇に立ち、生徒を指導してきて十数年経ちますが、その間、東洋医学及び現代医学の研鑽に励み、また、恩師に中国鍼灸を指導して頂く中でその気持ちはさらに強くなっていきました。残念ながら鍼灸師ですら鍼灸術そのものを懐疑的に捉えている者もおり、日本における鍼灸への期待値はかなり低い状態と言ってよい状態です。鍼灸が絶大な効果があるといっても限界はあります。限界を認めた上で的確な判断を下し、鍼灸のパフォーマンスを最大限に発揮できる技術があってはじめて優れた効果を生み出すことができるのです。
一人でも多くの方に鍼灸術が素晴らしさ、効果を実感していただき、治癒機転への可能性の扉を開いて頂きたいと願っています。
治効理論/施術方針
深層筋まで届く針響感
・ズシーンと重い感覚、強い指圧を受けているような感覚と表現される得気を重視します。
・使用する鍼の本数は、治癒を目的とするため多く使用します。場合によっては、100本を超える鍼を病巣に施術することもあります。また、手では届かない深部筋(インナーマッスル)への施術を行うため、3寸や4寸といった長鍼を使用する場合もあります。
※本来の長鍼は7寸を超えるものを指しますが、私が言う“長鍼”は日本で使用される頻度が高い1寸6分(鍼体が約5㎝)や2寸(鍼体が約6㎝)を基準に長い鍼と表記しています。
伝統的中医鍼灸の施術スタイル
本院では、1950年代以降の現代中医学で確立された湯液型システムである“辨証療法”に頼らず、鍼灸独自の施術システムとして確立していた伝統中医学的“経筋療法”をコアの理論体系としています。
※現代版経筋療法を行うため、基本的には脈診を行いません。(脈診を重視しない)
※全身に鍼を刺すというのではなく、病巣(局所)を中心に鍼灸施術を行います。
※鍼施術を“主”として行い、灸施術は“従”として併せて施術を行います。
置鍼法を中心とした施術法
筋肉が緩むまで時間をかけて置鍼を行うため、30分ほど鍼を置いたままで寝ていただきます。特殊な場合を除き、パルス(電気鍼)などは基本的に行いません。
※置鍼法:鍼を刺した後すぐに抜かず、鍼を刺したままの状態で置く鍼施術の一種です。
東洋医学とは
東洋医学は、身体をひとつの小宇宙としてとらえ、そのバランスが崩れたときに「病」が発症すると考える医学です。
鍼灸はその東洋医学の施術法の一つで、身体の変化を手で触れながら観察して状態を把握し、鍼や灸を施すことで身体のバランスを整えて機能回復をはかる施術法です。近年、高齢化、生活習慣病の増加などにより、「未病治(病気になる前の細やかな身体情報を基に病気の予防や施術を行うこと)」の考え方が広まる中、世界各国の医療関係者やWHO(世界保健機関)などが鍼灸に注目し、メカニズムの研究も進められ、科学的根拠のある施術法として注目されています。
“鍼灸療法”には、陰陽のバランスを整え、気血を調和させ、経脈を疏通させる作用があります。その治効理論の中でも「双方向性の調節機能」は他の施術法にはない鍼灸独特の作用であり、「鍼灸の特異性」と言ってよいと思います。身体に熱があればそれを下げ、体が冷えていれば気を充足させ冷えを是正させます。
自律神経は、交感神経と副交感神経が互いにシーソーのような関係で緊張と緩和を保っていますが、ストレスにさらされている時は、交感神経側に、リラックスして寝ているときは副交感神経側にそれぞれ傾き、バランスを取っています。しかし、このバランスが崩れてしまうと、緊張すべき仕事中に眠くなって集中力を欠いたり、布団に入って寝ようとしても緊張、興奮が続き寝れなくなったりしてしまいます。はりきゅう療法にはこのような乱れた自律神経のバランスを整えます。 はりきゅう療法は、“寒(冷える)・熱(熱っぽい)”や“虚(不足)・実(過剰)”、“交感神経・副交感神経”など陰陽を同時に調整する特異的作用があり、身体にとってもっとも良い状態に調整してくれます。この作用は、湯液にもないたいへん優れた作用といえます。ここではその作用を一般治効理論としますが、その他、特別治効理論として以下のような効能・作用が鍼灸施術には存在します。 “はり”“きゅう”施術は、皮下に存在する「筋肉」や「血管」、「神経」、「リンパ節」などを刺激します。その結果、筋肉が緩み(筋肉の柔軟性が回復される)、身体がリラックスすることで、血液循環(血管拡張)が良くなります。血液循環が良くなることで、自律神経のバランスが整い、内臓の働きを活性化し、様々な不定愁訴の改善につながります。血管の拡張は、乳酸などの疲労物質が運び出され、疲労回復につながるとともに、局所の充血や貧血を是正し、炎症を和らげる(消炎効果)効果があります。特に鍼施術における筋肉への作用では、表層筋よりも指で届かない深層筋への施術が可能であり、アプローチが難しく、凝り固まった筋肉を緩ませることができます。 また、はりきゅうの侵害刺激がきっかけとなり、傷を修復させるよう生体の治癒システムが発動し、自然治癒力や免疫力が向上し、細胞も活性化(若返り)します。そのため、体の抵抗力を高め、病気になりにくい体つくりや美容や若さを保つのにも有効です。 昔と異なり、西洋医学の発達した現代においては過信は禁物ですが、このように、鍼灸の特異性により未病治(予防医学)ならびに「検査正常症候群」などの不定愁訴に対して治効(治療医学)を発揮してくれるものと考えます。