交通事故後遺症と中国鍼灸療法

 

 交通事故後遺症には、交通事故による症状が治らず、「症状固定」と診断されたものを指して使われています。後遺症として、頸や腰の痛み、手の痺れや頭痛、めまい、ふらつき、下肢の感覚障害など症状は多岐にわたりますが、一般的に車の追突事故の際、頭部や腰部に強い衝撃を受けるため、それぞれ、むち打ち損傷(外傷性頚部症候群)、外傷性腰部症候群(腰部捻挫)と診断されることが多く、事故による衝撃が強い場合は「脊髄震盪」として病名が付けられることもしばしばみられます。交通事故による損傷は、表層の組織よりも骨や靭帯、神経など深部の組織へのダメージが大きく、完治せず保険治療が終了し、「症状固定」による後遺症に悩まれる方が多くいます。

 そのような中で、より深部の損傷をうけている組織、特に深部筋のダメージへの直接的アプローチが可能な鍼灸施術が症状緩解に効果を発揮します。

 現在、鍼灸施術における頸椎捻挫(後遺症)は、「保険適応となっており、鍼灸の有効性が認められています。

 保険を利用した鍼灸施術の場合、「医師の同意書」が必要となりますので、保険治療をご希望の方は本院までご連絡ください。また、保険治療の場合は安価で施術を受けることができますが、施術時間等の様々な制約(治療時間、使用本数など)がありますので、ご注意ください。




1.交通事故後遺症に対する鍼灸治療の目的

1.筋緊張緩和・血流改善に伴う疼痛の軽減

 鍼灸施術は、過緊張を起こしている深部筋群に対して、直接的アプローチができ、締め付けられている「神経」や「血管」を開放し、痛みの根源となっている原因にアプローチすることができます。
 外傷性頚部症候群においては、「斜角筋」「頭最長筋」「頸最長筋」など頸部のより深部筋群が異常スパズムを起こしていることが多く、長時間労働により頸部の痛みや上肢の症状が出現します。僧帽筋や板状筋、肩甲挙筋等の比較的表層レベルの筋群は、マッサージや入浴、温熱療法で緊張緩和は図ることができますが、深部筋はそうはいきません。マッサージの場合では、深部まで指が届きにくく、アプローチする場合は指の圧を高めなければならず、過剰刺激になる場合があります。緊張が亢進している筋群に対しては、興奮を鎮める調整が必要となります。




2.自律神経の調整

 交通事故のダメージにより脊髄震盪が生じ、自律神経の交感神経系が乱れ、バレリュー症候群RSD(CRPS)などの症状が出現することがあります。鍼灸施術の治効理論の一つに自律神経系の調整作用があり、交感神経の過緊張緩和を図ることができます。
 自律神経系等の調整を行うためには、古来より背骨の両側にある経穴(ツボ)を広く施術する必要があります。

お問合せはこちら

営業日:月曜日~土曜日
10:00~12:00/13:00~20:00
〒660-0063
兵庫県尼崎市大庄北2-1-24